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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第9章 【伏黒恵】君に響くカンパニュラ II **


「恵だよ。がずっと守ってたのは、恵だってこと」

「……俺?」

「そう。あの子にとって、一番大切な人が誰なのか。そんなの、昔から見てれば分かるでしょ」



五条先生は、今度は伊地知さんに顔を向けた。



「伊地知も気づいてたでしょ? 二人がずっと両想いだったって」

「えっ!?…………まあ、はい。お二人とも、お互いに好意を持っていらっしゃるのは、何となく……微笑ましいな、と」

「本人たちだけだよ、こんなに鈍いの」

「…………」



マジか。
……伊地知さんまで気づいてたのかよ。


五条先生は、呆然とする俺を見て笑った。



「恵を守るためなら、自分が声を出せないままでも構わない。あの子は、そう思ってたんじゃないかな」

「…………っ」



……俺を?
十年間、ずっと?


俺はを守るって決めた。
津美紀が呪われた時、俺は何もできなかった。

だから、今度こそ大切な奴を守るって。

なのに、守られてたのは俺の方だったのかよ。



「……だったら、なんで昨日……は、声を出したんですか。そんなに俺を失うのが怖かったなら、なんで……」

「それは本人に聞かないとね。さすがの僕もわかんないよ。だからさ、恵――」



五条先生が、俺の手元にあるノートを指差した。



「早く、を迎えに行こう」

「……はい」



俺が頷くと、五条先生は伊地知さんに向き直った。



「さて、と。姑獲鳥がの実の母親なら、生前ゆかりのあった場所に連れ戻した可能性もあるよね。伊地知、母親の過去については何かわかった?」

「はい。それなら――」



伊地知さんが資料をめくり、五条先生に説明を始めた。
二人の会話を耳にしながら、俺は手元のノートに視線を落とす。


つい昨日、に買ってやったばかりのものだ。

何か手がかりが残されていないかとページをめくっていると、思いもよらない言葉が目に飛び込んできた。
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