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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第9章 【伏黒恵】君に響くカンパニュラ II **


***



祓い終えた呪霊が、黒い塵になって消えていく。
それを最後まで見届けたところで、隣にいた狗巻先輩が親指を立てた。



「しゃけ」



私もこくりと頷いて、同じように親指を立てる。


今日の任務は、思っていたよりずっと早く片付いた。
二級程度の呪霊が一体。
狗巻先輩が呪言で動きを止めてくれたおかげで、特に苦戦することもなく祓うことができた。



『狗巻先輩、お疲れさまでした』



ノートにそう書いて見せると、狗巻先輩がその表紙を指差した。



「ツナマヨ」

「……?」



ノートのことかな。
青紫色のカンパニュラが控えめに描かれた表紙は、上品で可愛くて、私のお気に入りだ。

それに、何よりこれは――。



『恵くんが買ってくれたんです』



狗巻先輩が、私とノートを交互に見る。



「……こんぶ」

「?」



なぜか、すごく納得したように頷かれた。


どういう意味だろう。
でも、このノートを褒めてもらえたことが嬉しくて、表紙の花をそっと撫でた。


帳が解けたのを見て、補助監督さんがこちらへ駆け寄ってきた。



「お疲れ様でーす。お二人とも、怪我はないですか?」

「しゃけしゃけ」



私も大丈夫だと伝えるように、こくこくと頷いた。



「よかったです。それじゃあ、高専に戻りましょうか。車、近くに停めてありますので」



補助監督さんが歩き出そうとしたところで、私はノートを開いた。



『私は、少し買い物をしてから帰ります』

「分かりました。では、気をつけて戻ってください」

『はい。ありがとうございます』



狗巻先輩にも軽く頭を下げる。



『お疲れさまでした。また高専で』

「しゃけ」



狗巻先輩がひらひらと手を振る。
私も手を振り返して、二人とはそこで別れた。
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