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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第8章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を離さない Ⅱ**


♢



夜のコンビニには、仕事帰りの人や学生がちらほらいた。


さっきから、周りの人が僕らの方をちらちら見ている。

まあ、目立つよね。
僕みたいなイケメンがいるんだから。


……っていうのもあるけど。


も、結構人目を引く。

ふわっとしてて、柔らかそうで。
ちょっと隙があって。

なんていうか。
気づいたら目で追ってる、みたいな。

……恵も、その一人なわけなんだけど。

なんかまた腹立ってきたな。


少し離れたところにいた大学生くらいの男が、の方を見ていた。

なんとなく気に入らなくて、一歩ずれる。
ちょうど、その男との間に入るように。



「はどれがいい?」

「えっと……」



何も知らないは、僕のすぐ隣でアイスのケースを覗き込んでいた。



「……私、アイスはいいです。温かい飲み物にします」

「ん?」

「ココアとか……」



そっか。
こういう日は、お腹冷やさない方がいいんだっけ。

女の子は大変だな。


僕は自分用の適当なアイスを手に取ると、スイーツの棚へ歩いた。
とろとろの窯出しプリンを手に取り、カゴに入れる。



「はこっち。これ美味しいよ。僕のおすすめ」

「ありがとうございます……」

「あとさ、歯ブラシとかも買っといたら」

「…………歯ブラシ? なんでですか?」

「映画見て、途中で寝ちゃうかもしれないでしょ」

「…………」



が数秒固まった。

それから、ようやく意味が分かったらしい。
頬がみるみる赤くなっていく。



「え、でも……」

「帰りたくなったら帰ればいいし。念のため、ね」



できるだけ何でもないことみたいに言って、の背中をぽんと軽く押す。



「……じゃあ、歯ブラシと化粧水だけ」



小さくそう呟いて、は大人しく日用品の棚へ歩き出した。
それだけで、さっきまで妙に落ち着かなかった気分が軽くなる。
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