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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第8章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を離さない Ⅱ**


𓂃 side:五条悟 𓂃




脱衣所のドアがパタンと閉まるのを確認してから、僕はふう、と長く息を吐き出した。



「…………危な」



タイミングが良いのか、悪いのか。

が生理になってなかったら。
僕、確実に最後までやってたな。


不安そうに揺れていた瞳。
それでも、僕から逃げようとしなかった。

それどころか、あの顔。
あれ、もその気だったよね。


汚れたシーツを剥ぎ取り小脇に抱えると、ブランケットの隙間から、あの本がちらりと覗いているのに気づいた。


(か……)


本を取り出し、なんとなくページをめくる。


恵の部屋の前に落ちていたこれを拾った時から、ずっと苛立ってた。


あのドアを蹴り破って、と恵を引き離してやりたかった。
恵に見せつけるように、その場でを滅茶苦茶にしたってよかった。


だけど、そんなことまで考えてたなんて、には知られたくない。
恵相手に本気で嫉妬して、余裕なくなってる僕なんて。
……ダサすぎるでしょ。


だから、何でもない顔して。
いつも通りにして。

今日だって、僕にしてはかなり我慢した方だと思う。



『だから、恵にも襲われちゃうんだよ』



結局、言っちゃったけど。



「……ま、いっか」



手にした本を、もう一度ブランケットの間へ滑り込ませる。
が隠したのと同じように。


ブランケットも元に戻しながら、今日のを思い出す。


僕のTシャツ着てたの……あれ、意外とよかったな。

部屋の中をこそこそ見回してたのも。
あれ、どう考えても女の物探してたよね。


僕が少し近づいただけで、ソファの端まで逃げて。



『せ、先生、ちょ、ちょっと待って……! 心の準備が──!』



髪の匂い嗅ごうとしただけなのに。
何されると思ってたんだか。

その後は勝手に慌てて、水まで胸にこぼして。

あれ。
何でもない顔するの、結構大変だったんだけどな。



「……ほんと、かわいいんだから」



僕の一言であんなに慌てて。
僕のことで、いちいち顔真っ赤にして。

あんなに僕のことが好きなくせに。
なんで恵なんかに――。
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