第8章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を離さない Ⅱ**
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「ほんとにごめんなさい……」
最悪。
最悪すぎる。
よりによって、なんで今なの。
「別にいいよ、シーツ汚したくらい。僕ので元々汚れてたし」
「だけど……」
「そんなこと気にしなくていいの」
いや。
先生は気にしなくても、私が気にするんです。
「生理なんだから、しょうがないって」
「…………うぅ」
そういえば予定日、そろそろだった。
完全に忘れてた。
なんで今日なの。
明日でも。
せめて数時間後でもよかったじゃん。
「お腹痛くない?」
「……今のところは、大丈夫です」
先生はもうさっきまでの顔をしていなかった。
いつもの先生に戻ってる。
それが少し安心するような。
ちょっとだけ、寂しいような。
「で、持ってるの? ナプキン」
「…………」
いつもなら、念のためポーチに一つは入れてるのに。
今日に限って持ってきてない。
「うーん、うちにあったかなぁ」
先生は頭を掻きながら、寝室を出ていった。
…………あるの?
ナプキンが?
ここに泊まった女の人が置いていったってこと……?
女の人の物がないって勝手に安心したばっかりなのに。
やっぱりいるんだ。
ここに泊めるくらい、親しい女の人。
誰。
どんな人。
先生とは、どんな関係――。
「」
「はいっ!」
いつの間にか戻ってきた先生の手には、白くて薄い包装があった。
「これでいい?」
「ぁ……」
本当にあった。
なんとも言えない気持ちのまま、それを受け取る。
「……ありがとうございます」
「それ、硝子が置いてったやつ」
「え?」
「前に硝子が酔っ払って終電逃して泊まった時、生理きたってコンビニで買ってさ。余ったのそのまま置いてったの」
硝子さん。
なんだ、硝子さんのか。
「安心した?」
「っ!?」
なんでわかるの!?
六眼ってそこまでわかるの!?
「、わかりやす」
「〜〜〜〜っ!」
図星すぎて、何も言い返せない。
硝子さんだってわかって、ものすごくホッとしたけど。
だからって、それを先生に知られるのは恥ずかしい。
「着替えてきます!」
ナプキンを握りしめて、逃げるように寝室を出た。