第8章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を離さない Ⅱ**
「……は、本当に何も知らないんだね」
「え……?」
「そういうの、逆に男をそそらせるってわかんない?」
掴まれた手首が、頭の上のシーツへ押し付けられる。
見下ろしてくる青い瞳は、いつもの先生とはまるで違っていた。
澄んだ青の奥に、じわりと火が灯っていくような。
そのまま見つめられていたら、こっちまで焼かれてしまいそうで背中がぞくっとした。
「男の部屋に、ほいほいついていくところも。男の前で、下着もつけずに出てきちゃうところも……自分が何してるのか、全然わかってないでしょ」
「そ、それは……」
知らない男の人だったら、こんなことしない。
だって、それは――。
「だから……恵にも襲われちゃうんだよ」
先生の口から出た名前に、心臓を鋭く突かれた気がした。
やっぱり。
先生、知ってたの?
さっき寝室で見つけた本を拾ったのも。
扉の向こうで大きな音を立てたのも。
先生……なの?
先生のもう片方の手が、めくれ上がったTシャツの裾をかすめて、私の太腿に直接触れる。
「っ……!」
その手が内側の敏感な肌を撫でながら、上へ滑り始めた。
だめ。
そっちは。
私が下着を着けていないこと、先生はもうわかってるはずなのに。
「やっ、先生、だめ……っ」
指はじわじわと這い上がって。
とうとう何も守るもののない、恥ずかしい場所へ。
「っ、ぁ、先生、だめ、そこは……」
「そう? のここは触って欲しそうだけど」
指の腹で割れ目をなぞられ、小さな突起に触れた。
「っ……ぁ、あっ!」
じんじんとした痺れが広がって、頭の中までぼうっとする。
触られるたびに腰が勝手に跳ねて、足元のシーツがくしゃっと乱れた。