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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第8章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を離さない Ⅱ**


考えれば考えるほど、不安になることばかりなのに。

それでも、嬉しいと思ってしまう。
帰らなくていい理由を、先生がくれたみたいで。



「……じゃあ、もうちょっとだけ」



そう答えると、先生の口元が緩んだ。



「なんなら、今日泊まってもいいよ」

「と……泊まる!?……ここに!?」

「他にどこあんの」

「いや、そうですけど!」



おおおおお泊まりだなんて!!
それこそ、心の準備が……!

やばい、頭が沸騰してくらくらする。


先生はあたふたしている私を見て、とうとう吹き出した。



「あははっ。冗談だよ」

「…………」



またからかわれた!
一人で慌てて、ほんとばかみたい。



「わ、わかってますよ!」

「はすぐ本気にするんだから〜」



先生は「やれやれ」とでも言いたげに、両手を軽く上げた。
その仕草がなんだか腹立たしくて、むっとして睨んでいると。



「……まあ、僕も我慢できる自信ないし」



そう言った先生は、もう笑っていなかった。



「あの……?」



先生が近づいてくるたび、無意識に後ろへ下がる。
ふいに背中が壁に触れて、もう下がれなくなった。


先生は私の顔の横へ片手をつくと、もう片方の手をアイマスクにかける。
黒い布がずれて、隠れていた青がまっすぐ私を捉えた。


この距離で、そんな目で見られたら。
次に何がくるのかなんて、わかってしまう。


先生の白い睫毛が数えられるくらいまで、距離が縮まって。
私を見つめる、あの青い目が細められた。

まるで、こうなることを最初からわかっていたみたいに。


先生の息が唇に触れたかと思うと。
次の瞬間には、先生の唇の温かさと柔らかさで、頭の中がいっぱいになっていた。
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