第9章 【土方】傷跡まで愛する
その日の夜
「・・・お風呂行こう」
仕事を終えると浴室へ行き、隊服を脱ぐ。
そして洗面台の上にある布に手をかける。布を取るとそこには鏡があった。
以前から自分の身体を見るのが嫌になって布を被せていたのだ。
「・・・真選組なんだから、仕方ない・・・」
そうはわかっていても、他人に受け入れてもらえなかったこの身体、好きになどなれるわけなかった。
浴槽に入って傷跡をなぞる。
もう痛くも痒くもない。
「土方さん・・・」
この傷跡を、愛してくれる人がいたら、自分もこの身体を好きになれるだろうか。
「・・・」
その日の夜、夜も仕事の隊士以外は寝静まっているような時間。は部屋を静かに出た。
向かうは土方の所。
スーッ・・・
土「来たか」
ゆっくりと襖を開けると土方は着流しで机に向かっていた。まだ仕事をしていたのだろうか。
土方は座布団を自分の前に置き、そこに座るよう促した。恐る恐る座ると、土方はクツクツ笑っている。
土「そんな緊張すんじゃねェよ」
「いや、無理でしょ」
土「ってことは、拒否しねーってことで良いんだな?」
改めて言われるとさらに緊張してくる気がする。心臓が張り裂けそうだ。
土「で、告白の返事はどうすんだ?まさか、ただヤりに来たわけじゃねーだろ?」
「!!」
カァァと顔に熱が籠るのがわかる。先ほどから面白そうにこちらを見てくる土方に苛立ちが募る。
余裕そうでムカつく。
「・・・私も、土方さんは好きだけど・・・まだ、正直わからない」
土「ククッ、嫌じゃねーなら良い。これから心も満たしてやる」
「っ・・・よくもまあ、そんなことを、っわ!」
気障なことを言えるもんだと言おうとしたら、突然腕を引かれ、敷いてあった布団の上に転がされた。
遂に、その時が来てしまうのだと身体が震えてしまう。土方は布団に放り投げるまでは乱暴だったが、その後は硝子を触るかのように優しかった。
「ひ、土方、さん・・・」
土「んな震えんな。犯罪犯してる気分になんだろーが」
土方はの頭をゆっくりと撫でると、顔を近づけた。