第9章 【土方】傷跡まで愛する
“迷惑か”なんて言い方、ズルい。
昔馴染の土方にそんなこと言えない。
しかし、
「気持ちは嬉しいです。でも、土方さんにはもっと素敵な女性がお似合いですよ」
土「・・・」
窓の外を見ながらそう返事をする。自分なんかよりもっと女性らしい人がいるはずだと。
すると、パトカーは減速し、道端に止まった。町中ではなかったため人通りはほとんどない。
土「その素敵な女性に、テメーは入ってねェのか」
土方はの方を向きながら話す。口元には笑みが浮かんでいた。
「・・・私が?さっきの話聞いてました?素敵な女性は身体中に傷跡なんてありませんよ」
土「俺はお前を傷跡まで愛する自信あるぜ」
「あー、もう、何ですか今日の土方さん。なんか気障だししつこい」
いつもの土方を思うと、こんなに口説いてくるなんて考えられない。酔っぱらっているのだろうか。
「酒気帯び運転で逮捕しますよ」
土「飲んでねェ!」
「冗談ですけど・・・っ」
冗談を言って土方と目を合わせると、突然男の、ギラギラとした目になっており、ドキンとする。
土「テメーは自分の身体が他人に受け入れてもらえねェって思ってんだろ」
「・・・・・」
土「俺が抱いてやる。テメーの傷跡ごと、テメーが自分の身体を好きになれるようによ」
「・・・セクハラで訴えますよ」
土「ぶち殺してやろうかァ!?世紀の告白だぞコラァ!!」
土方が告白でいきなり貴方の身体も貰います発言をするなんて思っていなかったため、とりあえずボケておいた。
「・・・気持ちの整理が、できません」
土「完全拒否、じゃあねーんだな」
受け入れてくれるのは嬉しい。
土方のことも、正直言えば好きだ。
だから余計に怖かった。
もし、身体を見られた瞬間幻滅されたら。
土「すぐ返事しろ、とは言わねェからよ」
「・・・今日の、夜まで・・・待ってくれますか」
土「わかった」
そこから2人は無言だった。
屯所に帰ってから、は自室で仕事をし、土方と顔を合わせることもなかった。