第9章 【土方】傷跡まで愛する
「告白、嫌なんです」
土「・・・そりゃあ好きでもねェ男から告白されたらそうだよな」
「ううん、違うの」
相手のことが好きだとか嫌いだとか、そういう理由ではないという。
は1つ息を吐くと、フッと口角を上げて自嘲するように話し始めた。
「自分が女だって、思い知らされるから」
土「どういうことだ?」
「私は、もう、女として生きていくことはできない」
近藤らは昔からが女の子扱いされることを嫌っていることをわかっており、自分たちと同等に扱うようにしてきた。
しかし、それは力や仕事内容のことが主であったため、告白と何の関係があるのか土方にはわからなかった。
「・・・私ももう20歳過ぎてます。今告白されるってことは、結婚も視野にって人が多いですよね」
土「・・・そうだろうな」
結婚したら子供を産んで隊士として働けなくなるかも、と思っているのだろうかと考えた。
しかし、それ以前の問題だった。
「・・・こんな身体、誰に見せられるって言うんですか」
少し袖を捲くるだけで見える傷跡。それは全身に同じようなものが沢山あることを示唆している。
土「同じ剣士なら納得してるんじゃねェのか?」
「って思うじゃないですか」
以前、一度だけ真選組ではないが侍と付き合い、行為までするかもという状況になったことがあった。
しかし、その侍はの身体を見て萎えて別れてしまったという。それがトラウマとなり、自分はもう女としての価値が無い、たとえ顔や性格などで選んでくれた人がいたとしても、身体を見たら幻滅させてしまうと思っていたのだ。
「だから、告白されたら、まだ女だって思われてるって証拠だから、道場に・・・」
土「・・・そうかよ」
強くなったら、もう女だって思われない、告白してくる人もいない。自分も相手も傷つくことがない。
土「それを聞いたうえで、俺がお前に告ったらどうすんだ?」
「・・・・・は?」
土方は依然前を向きながら話す。本心なのか、ただ慰めようとしているだけなのか、試しているのか。
土「俺も、お前が好きだと言ったら・・・迷惑かって聞いてんだ」