第9章 【土方】傷跡まで愛する
専用の浴室。そこまで来るともう自分の場所だ。
パサ・・・と稽古用の服を脱ぐ。
そうすると嫌でも目に入る自分の身体。そしてそれに残る無数の傷跡。
「・・・」
傷跡を撫でるとシャワー室へ向かっていった。
「ただいま戻りましたー」
稽古を終え、近藤らとの仕事を再開しようと帰ってきた。まだ書類仕事が溜まっている。頑張ってサインしなければ。
土「、お前は俺の見回りに付き合え」
「え?書類が」
土「んなの総悟にでも任せとけ。行くぞ」
珍しく適当なことを言っている土方に首を傾げるが、有無を言わさない様子で動き出したため近藤にだけ挨拶をして土方の後を追った。
パトカーに乗り込む2人。今日は土方が運転するらしい。は助手席に乗った。珍しいこともあるもんだ。
「・・・」
土「・・・」
ずっと無言の車内。気まずい。
何故土方は自分を呼んだのだろうか、何か怒られることでもしただろうか。
「あの・・・」
土「隊士に告白されたんだってな」
「!!」
とりあえず何か話を、と思って声を出した瞬間、土方も話し出し口を噤む。すると土方からは衝撃的な言葉が発せられた。
なぜ知っているのか問うと、告白して撃沈したと喫煙所にいる隊士が言っていたと話す。
土「よくあんのか?」
「・・・たまに」
土「・・・何か気がかりなことでもあんのかよ」
告白されることは好意の無い相手であればただ迷惑なだけだろうが、それだけではなさそうだと土方は感じ取った。
告白されること自体に嫌悪感を抱いているのでは、と。
土「告白されてから急に道場に行ったことと関係あるのか?」
「・・・」
沈黙を貫くに、土方は前を向きゆっくりハンドルを操作しながら質問していく。パトカーを停めてじっくり話がしたいところだが、きっとそれは尋問のようになってしまう。目を合わせずにいることで何か話してくれると思ったのだ。
土「今さらお前の何を知ったところでお前の評価が変わることはねェ」
何かに焦っているのか怯えているのか、そう思った土方は優しい口調で話す。