第7章 【近藤】振り向けないから
「離して」
近藤の方を振り返ることなく一言伝える。
近「ここにいてくれ、君の身体が心配なんだ」
「近藤さんには関係ないってば。離して」
近「何かに悩んでいるなら教えてくれ」
「うるさいです」
振り向きたい、振り向いて近藤に好きだと伝えたい。
しかし、その瞬間全てが崩れ去ってしまいそうで。
振り向けない。振り向けないから、震える声で拒絶することしかできない。
近「・・・」
「もう呼ばないで!!!」
近「!?」
突然大声をあげたに近藤は驚く。
近「・・・本当に、何があったんだい」
「近藤さんにはっ、関係、無いって・・・言ってるでしょっ、なんで、わかってくれないの!」
一度感情的になってしまったら、もうこの感情を止めることができなくなってしまった。
瞳からは涙が溢れる。嗚咽しながら叫ぶ。
近「関係ないかは・・・」
「うるさいってば!!私の気持ちも、知らないくせに、優しくしないで!!」
ポタポタと、畳に涙の跡ができていく。
近「君の気持ちを知らないから教えてほしいんだ」
もう、いい。
どうにでもなれ。
まだ真選組でいたかった。
でも近藤に想いを伝えたらそれが終わる。
「わかった、私の気持ち・・・教えてあげる。私は、近藤さんがっ、好きなの」
近「!」
自分を掴む近藤の腕に力が入る。動揺しているようだ。
そうだろう。自分は違う人が好きなのだから。他の女から告白されても困るだろう。
「っ、だから言いたくなかった!近藤さんはお妙さんが大好きだって、わかってるから・・・こんなこと言っても困らせるだけだから・・・だからっ」
近「俺への気持ちを忘れるために知らない男としてたってわけか」
「・・・そうだよ」
近「、こっちを向いてくれないか」
「いや」
振り向いたら、きっと近藤は優しい顔をしている。そんな顔で断られたら、もう、自分は・・・
近「っ」
ギュッ
「・・・・え」
背中に感じる温もり。
身体全体に感じる圧迫感。
後ろから、抱きしめられている。