第7章 【近藤】振り向けないから
「ねぇ、またヤらせてよ」
「うーん、どうしようかな」
先ほど行為をしていた男と後始末をしていると、そうお願いされる。何度か他の男にも同じことを言われたが適当に断っている。
深く関わって素性がバレても面倒だ。
「じゃあね。もしご縁があったらまたシましょう」
ニコやかに笑うと、「ちぇっ」と舌打ちをする男とともにラブホを出た。
それを見ている影があるとは知らず。
数日後
近「、ちょっといいか」
「なんですか?」
その日の仕事が終わり、また外へ出ようとするを近藤は呼び止めた。
まだ仕事が残っていただろうか、という気持ちと、今から貴方を忘れるために知らない男に抱かれに行くのだから顔を見せないでくれ、という複雑な気持ちでいた。
近藤は自室へを連れて行く。自室に入ると、座るよう促され、近藤は話しにくそうに言葉を紡いだ。
近「・・・何か悩みでもあるのか?」
「・・・え?」
貴方のことです、など言えない。
しかし、顔にでも出ていたのだろうか。
近「心配になって、山崎に毎晩外に行く君の後をつけてもらったんだ」
「!!」
気配には敏感な方だとは自負していた。
しかし、全く気づいていなかったため目を見開く。
山崎の監察としての能力が凄いのか、近藤のことを考えてしまっている自分に余裕が無く気付けないのか・・・。
きっと後者だろう。
近「ここ数日・・・毎日違う男と、ラブホに入っていると・・・」
「近藤さんには関係ないでしょ」
近「ああ。しかし、何かに悩んで、それを・・・その・・・セックスで解消しようとしているのであれば、助けてやりたいと思ってな」
もっと違う解決法があるのでは、と提案してくれる近藤。本当に人が良い。人が良すぎるが故に人を陥れてしまうこともあることには気づいていない。
目の前で優しく声をかけないで。
心配なんてしないで。
貴方が振り向いてくれないから。
私も貴方に背を向けないと、苦しいから。
「ただ好きだからしてるだけ。真選組と近藤さんには迷惑かけないから」
立ち上がり、その場を後にしようとすると、
ガッ
腕を近藤に掴まれた。