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PRISM LINE【ワールドトリガー】

第4章 感情線の混線



「迅さん」
「んー?」
「話したいことあるって言ってませんでしたっけ」
「言った言った」
「なんなんですか?」
「そうだなー、じゃあ、ランク戦は順調?」


じゃあって何、じゃあって。取ってつけたような話題は本部を出てから既に何回目ってぐらい聞き飽きてる。場所を変えるのかなと思って着いて行ったら駅で、どこ行くんですかと聞けば家まで送ると返ってきた。適当話しもそこそこに、痺れを切らして訴えてみるとこれだ。

駅から自宅までの道すがら、いい加減読めない真意にイラっとして、隣を歩く迅さんを睨む。
視線に気づいた彼は、わかった、降参、とばかりに目尻を下げて小さく笑った。


「花衣ちゃん今日なんか予定あった?」
「いえ、なんもないですけど」
「帰りに駅前でぶらぶらするつもりだった?」
「……あー、ヒールのメンテには行こうと思ってました」
「じゃあそれだ」
「なにが?」
「怖いお兄さん達に囲まれてるのが視えたから」
「え」
「だから、護衛?」
「わざわざそのためだけに?」
「うん、マズかった?」


マズいもなにも、たったそれだけのことで?送ってくれなくても注意喚起で充分じゃないかと思うんだけど。

迅さんの気遣いは嬉しい。
でも感謝より申し訳なさのが勝ってる。
この人の多忙さを知っているから尚のこと。


「なんか、すみません」
「なんで謝んの、おれが好きでしてることだからいいんだって。それに最近ゆっくり話せてなかったでしょ」
「まぁ、そうですけど」
「で、どう?近々上がれそう?」


これ以上ないぐらいの優しい笑顔で聞いてくるけど、その内容は全く持って優しくないことをこの人は分かっててやってるんでしょうね。

上手くいけば明日にはなんとか。不貞腐れてそう話してみると、大袈裟なほどに喜んでくれる。そんじょそこらの負けん気の強さと一緒にしないでね。じゃなかったらここまで性格悪くなってないからと、心の中で悪態ついた。


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