第6章 感情的な理屈/日常微ギャグ
「……さすがに当たり強くない?」
「自意識過剰かよ」
一瞬で視線を戻す凛はまたもスマホに戻ってゆく。
凛にすればこれはただの正当性のある対応なのだろう。だが、別にそれに従う義務はないだけだ。
繭は凛を指さし、七星に顔を向けて言う。
「……コレどう思う!?」
「そこで俺に振る!?スルーパスだったんだべか!?」
「いや、今のは無茶ぶりのほう」
「ん~まあ……凛さんは確かに照れたりはしないよなぁってのはあるけど」
「まさかのソッチの味方!?」
「別に味方とかじゃないけど!いや、言い方はあると思うよ!?とにかくキッツい!!」
「……まあ、師弟なら妥当か。急に冷静になった」
「切り替え早っ」
繭は視線を前に戻した。
「凛」
「……」
「ごめんね」
「……」
凛は微動だにせずの完全無視だ。自分には非も誤差もないと疑いすらしないし、結果は最初から見えている。
そういうことなのだろう。
繭は自身のスマホを見る。残っていたスイーツを一気に口に押し込み、飲み物で流し込んだ。
そして席を立った。
「私、行くね」
「急に!?……え、今のガチ喧嘩!?それか俺の言い方がマズかった!?凛さん、繭謝ってるし……っ」
「違う違う。時間だから。お邪魔しました」
「あ、そういう……」
繭は、おつりは今度でいいと言葉を添えて、財布から千円札を取り出しテーブルに置いた。
「じゃあね」
あっさりその場を去る繭の脚は軽い。
七星は背筋の伸びた繭の後ろ姿を見ながら、独り言のように言った。
「……都会のコはビジュも強いっぺなー」
残っていた2杯目のコーラを飲みながら、またも独り言が続く。
「たくましいというか、ノリがいいのかサバサバしてんのか、よくわからないコだべな」
「いつまで無駄話すんだ」
「無駄っ……いや、まあ、そうだけど」
ようやく本題ではある。
とは言え、七星からすると、これは相手が糸師凛じゃなければもう少し盛り上がれるヤツだとは思った。
Fin