第6章 感情的な理屈/日常微ギャグ
言わば、繭は巻き込まれている側なのだ。
たまにはボケのひとつも許されるだろうかと、繭はあえて指を立てて、違う角度から真顔で答えを出してみる。
「そう。コレ」
「嘘つくなタコ」
「冗談だよ……」
1mmも冗談が通じない凛自ら、七星に訂正を入れる。
「ただの幼馴染みだ」
「あっ、そういう……ただの……」
「そうだ」
「もしかして……ソレ、ただの、まだ、微妙な感じの……アレなんだっぺか!?」
「アレもクソもねぇ。見たまんまだ」
「……見た、まんま……まず、凛さんが女子とじゃれてること自体、合成画像っていうか……」
「じゃれてねえ。普通だろ」
「逆にリアルな温度ある感じ増やしちゃってるよ」
真面目過ぎる返答をする凛を見かね、繭の方から斬り込む羽目になった。
雑魚、モブ、知らねえ女、ここではそれくらい切り捨ててくれた方がいいのに、凛にはこの辺の空気が読めない、いや、読む気がないから仕方がない。
誰がボケで誰がツッコミなのかわからなくなってくる。
七星が眉を下げて、繭を申し訳なさそうに見る。
「なんか、ごめん、繭……さん」
「え、なんで急なさん付け?!同い年だし呼び捨てでいいってば」
「凛さんの知り合いだと思ったら、しかも意味深だと思ったら、呼び捨てには出来ないっぺ……」
「意味深ではないからそのネタ終わり。いいよ普通で」
「いや、でも……」
困惑を隠せない七星は、凛に泣きつく顔をする。
「凛さん、これは俺はどうすればいいヤツだっぺ!?」
「勝手にしろ」
凛はふいと顔をそらし数歩距離を取る。
ここで、繭から七星に近づき凛をそっと指をさして一つの疑問を投下した。
「何でアッチはさんづけなの?一応、これでも、同い年なのに」
「……その言い方は、含みを感じるっぺ……」
「ソコ拾った時点で肯定してるってコトじゃん」
「ええぇ!?いや、違っ……繭、さん、苛めっ子だべか!?見た目詐欺だっぺ!」
「事実を言っただけ」
「……微かに凛さんの遺伝子を感じるっぺ……」
「……爽やかな顔して地味にイヤなこと言う……」
一度咳払いを挟む七星が、声のトーンを上げて話を仕切り直した。