第2章 【直哉×甚爾元カノ】
「……っ、直哉くん、痛い……!」
の悲鳴に近い拒絶も、今の直哉の耳には届かない。
手首を掴む指先には、呪術師としての加減を忘れたような力がこもっている。
「痛い? ちょうどええわ。その痛みで、自分が誰に飼われとるか、その足りひん頭に刻み込め」
直哉は、の胸元に巻かれたタオルを無造作に引き剥がした。
湿った空気に、露わになった彼女のすべてが晒される。
年上の、柔らかく熟した果実のような肉体。
直哉の瞳は、怒りと、それを上回る猛烈な情欲で血走っていた。
「自分……こんな体して、あのカスみたいな男の前に晒すつもりやったんか。
笑わせんなや。そんなん、俺が許すわけないやろ」
「……っ、だから、そんなつもり、ないって……!」
言い募ろうとするの唇を、直哉は食いちぎるような深い口づけで塞いだ。
石鹸の香りを、己のどろりとした執着で塗り潰していく。
抵抗するの腕を壁に縫い付け、逃げ場を完全に奪う。
の肌に触れる直哉の掌は、焼けるように熱い。
甚爾の影に怯え、見知らぬ凡夫に苛立ち、そうやって自分を振り回し続けるこの年上の女が、たまらなく憎くて、愛おしい。
「自分、わかっとるか。あんなゴミみたいな男に、自分の何がわかる。
……俺だけや。自分のこの柔らかいとこも、弱いやつを馬鹿にしたような笑い方も、全部、俺だけが知ってればええんや」
直哉の手が、の豊かな胸の膨らみを、形が変わるほど強く掴み取った。
「ぁ、……っ……」
「ええ声。……もっと鳴けや。
あの男の名前やなくて、俺の名ぁ呼んで、泣いて縋れ。
……自分を今、こんなにめちゃくちゃにしとるんが誰か、身体に理解したるわ」
直哉はの白い首筋に、消えないほど深い、赤紫の痕を刻みつけた。
それは愛の証などという綺麗なものではない。