第26章 タイトル未定【予兆】
「……どうやって、津美紀を助けるつもりですか?」
ギュッと拳を握り込み、伏黒は星良に尋ねる。しかし、星良は首を振った。
「ごめんなさい。それは話せない」
「なんで……⁉︎」
ここまで話してくれたのに、また蚊帳の外かよ!
それでも、星良は「ごめんなさい」と謝るばかりで、答えてはくれなかった。
「禁書を取りに行ったってことは……禁術について聞いた?」
「札埜さんから……」
詞織がそう言うと、星良は「そう」と一つ頷く。
「つまり、“そういうこと”。話してあげたいけど、津美紀について これ以上は、“縛り”で口止めされてる。だから……ごめんね」
「禁術って……まさか、泰山府君ってやつじゃ……!」
忌庫で札埜に聞いた――他者の命を使って人を生き返らせる禁術。
そんなこと……。
すると、星良は目を瞬かせ、「違うわ」と伏黒の言葉を否定した。
「それは禁術中の禁術。誰かの命を背負わせるような方法で、津美紀を助けることはしない」
伏黒が安堵の息を吐くも、星良は「ただ」と続ける。
「あたしたちが使った禁術の儀式は、星也が主導権を握ってる。それを隠すためかな。星也は受肉されたときに、津美紀を助ける手立ての記憶を封じてるみたいだった」
自分の手のひらを見つめた星良が、キュッと拳を握り込んだ。
「津美紀を助けるためにも、宿儺から星也さんを取り戻す必要がある……ってことですか」
伏黒が確認のために尋ねると、星也は「そうね」と頷いた。
不意に、星良は「詞織」と妹を呼ぶ。