第26章 タイトル未定【予兆】
「……星也の悪癖が最悪な形で出たってところかな」
拠点にある霊安室――ストレッチャーで運び込まれた五条は、家入や灰原、伊地知から、自分が【獄門疆】の中にいる間に起こったことを聞き、深々とため息を吐いた。
「術式の汎用性が高い分、何でも背負い込みがちなところはあったが……ここまでくると最早 病気だな」
「でも、大切な人を守りたいって気持ちは、僕も分かります」
「それで自分が潰れてちゃ世話ないだろ」
そんな家入と灰原の会話に、「だな」と五条も苦笑する。
「さて。星良は?」
「星良さんは重体でしたが、先ほど目覚めて伏黒くんたちと話を……」
そ、と立ち上がり、五条は大きく伸びをした。
「何事も万全を期さないとね」
五条はニッと口角を上げる。ポカンとする伊地知や灰原と違い、家入だけは小さく笑いながらタバコの煙を吐き出していた。
* * *