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夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第26章 タイトル未定【予兆】


『……やけに静かだな、詩音』

 ジロッと、宿儺の四つの目が詩音に向く。その視線を裏梅も追った。そこでは、詩音が膝を抱えて身を小さくしている。

『……放っておいてよ……あたしのことは、放っておいて……』

 詞織、と声を震わせ、詩音は膝に顔を押しつけた。

 その様子に舌打ちし、宿儺はツカツカと詩音の前に立つ。そして、ガッと頭を掴み、無理やり視線を合わせた。

『あまり つまらぬと、殺して喰ってしまうぞ』

 宿儺の言葉に、詩音は紅い瞳でキッと睨み上げ、彼の手を乱暴に払った。

「詩音、貴様……!」


『【うるさい】‼︎』


 術式を発動しようとした裏梅は、詩音の言霊に一瞬 動きを止める。

『うるさい うるさい‼︎ いい加減にして……! 放っておいてって言ってるのよ‼︎』

 詩音に振り払われた手を見て目を丸くしていた宿儺が、不意にケヒッと口元を歪めて嗤った。

『良いぞ。オマエが俺を飽きさせぬうちは生かしておいてやる』

 宿儺は詩音の頬を掴み、グッと顔を近づける。その言葉に、詩音はギュッと眉を寄せた。

『そんなこと……頼んでないでしょ』

 詩音が宿儺に頬を掴まれた手を解く。
 やがて、力なく紅い視線を逸らし、彼女は唇を噛んだ。

* * *

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