第26章 タイトル未定【予兆】
「申し訳ありません。どうしても最後の一本を見つけることができませんでした。如何様にも罰は受けます」
布に貼りつけた【宿儺の指】を宿儺に献上し、裏梅は頭を深く下げた。
『よい。どうせ最後の一本は五条 悟が持っている』
「……左様でしたか……それは……」
『まぁ、「おそらく」だがな』
指を摘み上げ、宿儺は大きく口を開きながら舌に乗せる。そして口に含み、ゆっくりと咀嚼して飲み込んだ。
『五条 悟は小僧の死刑を延期するために、「宿儺(俺)の指を全て取り込ませてから」という条件を上に出した』
だが五条ならば、宿儺の指を一本 手中に収め、虎杖の死刑を実質なかったことにするくらいやるだろう。そう宿儺は推測を話してくれた。
その話が本当なら あの男……一度ならず二度も宿儺様の前で私に恥を……!
先ほど五条にやられた傷が……【反転術式】を以てしても いまだに痛む。
グッと拳を握り、裏梅は奥歯を噛み締めた。
『気にするな。一本分程度なら、コレで充分 補える』
宿儺は立ち上がり、ソレの前に移動する。そして、おもむろに“ソレ”の頭をもぎ取った。
『クックッ……身仏(しんぶつ)とはな。羂索……いや、天元か……皮肉のつもりか? それとも……』
そう呟き、宿儺はバギッボギッと音を立て、羂索の持ってきた自らの身仏を喰らう。やがて全て食べ終えた宿儺は、指を舐めた。