第4章 HOME 爆豪勝己 / 轟焦凍
「ねぇ、せっかくだからさ、もう少し個性のこと聞いてもいいかな?」
「クソナードが…」
「え?ダメなの?かっちゃん」
「俺も聞いておきたい。救命チームには世話になってるし」
「ううん、いいよ。そう言えば勝己に話すのも初めてだよね?」
「あァ?…知っとるわ。凪の個性、維持(サステイン)だろ?」
「そう。あれ?勝己に話したっけ?」
「そっか。僕に調べさせた時に、それも見てたんだね」
「うっせぇわ!情報を瞬時に頭ン中に入れんのが癖ついとるだけだわ!」
同級生とはいえ凪にとって初めて会った連中相手でも、どこか前から一緒だったみたいに馴染んでいる。俺の隣に座って、出久と轟の会話に相槌を打つ仕草も、視線の配り方も全部が自然で、連れてきた俺が驚くくらいもうこの空気の一部だ。
「私の個性はね、生体内の“流れと均衡”を感じ取って、崩壊しない位置で固定する個性〝維持(サステイン)〟なの。お母さんは助産師なんだけど、内側の状態・可能性が見える個性を持っていて、お父さんの個性は流れの詰まり・異常を把握できる、配管技師なんだ。だからその二人の個性を受け継いだ感じかな?」
「すごい…。めちゃくちゃすごい個性だ…。ね、かっちゃん!」
「俺に言うなや。……いくらすげぇ個性持ってても上手く使いこなせねぇと意味ねぇだろが」
「またそういう言い方して…」
「爆豪は恋人に対しても容赦ねぇんだな。もっと優しくしてもいいんじゃねぇか」
「ンなんじゃねぇ…」
俺は凪の個性を誰よりも認めてる。凪はあの救命チームの中で、その場の状況判断、優先順位がズバ抜けて的確だった。
俺の手の届かないところに確実に繋いでくれる。凪がいれば助けられる、そう思ったことが何度もあった。