第4章 HOME 爆豪勝己 / 轟焦凍
「悪い、外野がうるせぇ。ちょっと待て…」
一旦スマホをスピーカーに切り替えて視線を出久に戻す。半信半疑の顔の間抜け面に吹き出しそうになるのを堪えた。
「……迎えって、もしかして、女の子!?」
「……ンだよ。悪いんか?」
「爆豪…の、彼女か?」
「だよねだよね、そうだよね、そういうことだよね!?」
「るせーな。……そーだよ」
「誰!?どこの子!?いつ?なんで?どうして?どこで!?」
支離滅裂で矢継ぎ早な質問をする出久と、その横で箸を持ったままフリーズしている轟の顔に、俺は堪えきれず小さく吹き出す。
「……つーことらしいわ。今から来れるか?こいつらにも一応紹介してぇ」
「ちょっと恥ずかしいけど…、でも大丈夫。準備したら行くね」
「…ああ」
通話を切ると、個室に一瞬だけ静けさが戻った。スマホを伏せてテーブルに置く。出久と轟の視線が俺に集中してるのが可笑しくて口元が緩む。
「……来るってよ」
短く告げると出久の裏返った声が響く。
「え、ほんとに!?」
軽く睨むと出久は慌てて口を押さえ、その隣で轟は相変わらず状況を飲み込めていない顔のまま箸を置いた。
「爆豪の彼女、か」
「ああ…」
それ以上は言わねぇ。説明する気もねぇし、する必要もない。どうせ凪が来たら、こいつら質問責めにすンだろうから。