第1章 爆豪勝己はXXX(初)で優しさを覚えた
ベッドにそっと降ろされて、ふわっとした重力の変化が加わり、天井がゆっくりと視界に広がった。逃げ場のない距離で真っ直ぐに見下ろされて、2人で課題をこなしていた同じ空間とは思えないほどの別世界にいるみただ。
「勝…」
薄く開いた唇も静かに塞がれた。柔らかく触れた唇は少しずつ迷いのない深みに…。角度を変えるたびに勝己の髪の毛が頬に触れてくすぐったかった。いつも心のどこかにあった不安すら薄れていく。心の準備がゆっくりと整っていく感じがした。
生温い唾液を交換しながら私たちは何度も角度を変えて唇を重ねる。私の舌先が勝己の唇に触れると迎え入れて優しく包み込む。湿った音を部屋に響かせながら、首に腕を回して抱きつき、勝己は私の腰に手を回して支えた。互いの体温を感じ合いながら夢中で求め合う、2人の距離はゼロに近付いた。
どのくらいそうしていたかは分からないけど、ようやく顔を離したときにはお互いすっかり出来上がってしまっていた。一旦体を起こしていつもの黒いTシャツを脱ぎ捨てる。一つ一つの動作にも意識が集中して空気すら変わる。
「不安っつーわりには大胆だな」
「なんでだろ自分でもよく分かんない」
「ま、こっちの方がやり易いわ」
「勝己がこれまでにないくらいに優しいってのは感じてるよ」
「……優しさとか、ンなもん知らん」
普段こんなことを言えば怒鳴られて終わりだろうけど今は視線を泳がせてどこか歯切れが悪い。勝己なりの葛藤みたいなものがあるんだろうか。
「……脱がすぞ」
「…もう?」
「今じゃねぇならいつ脱ぐんだよテメェは」
「ごめん…。いい雰囲気だったのに怒んないで」
「だったら余計なこと喋んな」
「でも一つだけ」
「んだよ」
「私、そんな綺麗な体じゃないから…。だからごめんね」
自分が抱いていた不安の大半はおそらくこれが原因。あちこちに小さな傷が残っているし、スタイルだってよくないし、胸もない。がっかりさせちゃったらどうしようって不安だった。