第4章 HOME 爆豪勝己 / 轟焦凍
「あの子ね、元気になったよ。もうすぐギプスも取れるって」
「俺がもう少し早く行ってやれてたら、軽い怪我で済んだんだけどな」
「そんなことないよ。骨折だって逃げる時に転んじゃったのが原因だったみたいだし。本人はショートに助けてもらったことを今も昨日のことみたいに話してる」
「そうか…」
「リハビリに行く時にね、ヒーローショートの話、沢山してくれるんだよ。……本当はダイナマイト推しだったみたいだけどショート推しに推し変もしちゃったみたい」
「元気ならよかった。けど、爆豪には悪いことをしたな」
「そうだね、勝己が聞いたら噛みつきそうだね」
「最近会ってねぇけど爆豪は元気か?」
「……うん。変わらないよ」
「そういや最近救命チームで見かけないような気がしてたんだが」
その言葉に一瞬、戸惑い、胸がざわつく。言葉が喉で止まり、視線が揺れる。
「ああ…。うん、ちょっとね…」
「何かあったのか?」
「別にそんな大したことじゃないの。でも今はチームから外してもらってて」
「体調でも悪いのか?」
「えと…実は、個性が少し不安定で…。ここ一ヶ月くらいはまともに使えなくなっちゃってたの。あ、ほら、私は他のメンバーみたいに戦闘能力ないし、最前線ではチームに迷惑かけちゃうから。だから今は控えてるの」
「……そうか、けど大丈夫なのか?」
「大丈夫」
「爆豪は知ってるのか?」
「今度ね、雄英に行ってリカバリーガールに相談するんだ。高校時代もずっと相談してたし、私の個性のこともよく知ってるから。何かアドバイスくれるかもしれないしね」
視線を上げると、轟君は少し眉を寄せて、静かにこちらを見つめていた。優しい人だってことは知っていた。いつも冷静で落ち着いている人のはずなのに、今はその奥にほんのわずかな不安が見える。