第4章 HOME 爆豪勝己 / 轟焦凍
キスが深くなるにつれて、外の雨音は次第に激しさを増していた。ずっと胸に抱えていた想いを預けるように、絡まる唇と舌に全力で応えるまるで何度も愛し合ってきた恋人のようで、甘く錯覚させる魔法みたいだ。
長いキスの後、視界が少しずつ戻り、ゆっくりと目を開ける。勝己の瞳は真剣そのもので、静かに判断を下すように私を見つめていた。
「いいンか…?」
言葉の続きに胸の奥が疼く。雨音がさらに強くなって、二人の空間だけが切り離されたみたいだった。
「展開が早くて、ちょっとだけ心の準備ができてないけど」
「……無理すんな」
「でもっ、離れたくない…っていうのも本音」
勝己の言葉を遮る。戸惑いと恥ずかしさ、それよりも強い感情が確かにあったから。
「だったら離さねぇよ。凪がそう望むんなら」
「………うん」
「俺は本気だ…」
真っ直ぐに届く言葉に何も返すことはできなかった。勝己の腕が迷いなく私の体を迎えにきて、ふわりと体が浮いた。何も言わず視線も合わせてくれないのに、動きは驚くほど丁寧だった。寝室に続く扉を前に、勝己は足を止める。
「こっから先は誰も入れたことねぇ…」
言葉の中に滲む静かな覚悟が甘く刺さって、切なさとどうしようもないくらいの好きという感情が溢れてくる。
「そんなこと言われたら、私、勝己のこと以外考えられなくなっちゃうね」
「そうさせとんだわ、こっちは…。この先、俺のことだけで見てろ」
この感情を知ったら最後、もう逃げられない。それでも自分の意思でここにいることを確かめるように勝己の方に腕を回した。
ゆっくりと扉が閉まって、雨音も遠いしんとした空気が触れる。ベッドに寝かされる少し前の瞬間、横目で見た壁掛けの写真たてには雄英時代の写真が飾られていた。勝己の一部に触れた気がして、それだけで特別なんだと思えた。
その瞬間、また一つ想いが重なった。