第1章 爆豪勝己はXXX(初)で優しさを覚えた
「えっと、そうすると……、もうすることもないし、……帰るね」
そう言うと読みかけの漫画から視線を離し不機嫌そうに私を見る。
「居りゃいいじゃねぇか」
「でもこのままだとほんとに夜になっちゃうし、門限ないとはいえ明日から学校あるし」
「ンじゃ泊まってけ」
「は……?」
さらっと勝己は泊まれと言ったけど、一応私たちは付き合ってるわけで、泊まることの意味を知った上での発言なんだろうか…。
「あの、つかぬことをお聞きしますが」
「ンだよ」
「泊まるってことはさ…。もしかして今日、そういうことするの?」
「頭悪ぃくせに察しだけはいいな」
「ま…っ」
待って待って待って待って待って。一旦、待て。
私の〝そういうこと〟が正解ってことは何?あれ?アレのことなんだよね?そりゃいつかは通る道なんだろうけど、でも今日、しかも今から始まるかもしれない展開にさすがの私もついていけない。
「まぬけ面、晒すな…」
「だって、勝己が…。ねぇ、そういうのってさ、お互いのしたい気持ちが高まった時にしちゃうもんなんじゃない?この流れならいいかなぁみたいな。なんか今の感じだと決定事項みたいじゃん?」
「テメェがやる気出すまで待ってたら何年かかんだよ」
「だってだって私、経験ないもん。勝己はあるかもしれないけど私初めてなんだもん」
「俺もしたことねぇ」
いや、そんな堂々と曝け出さないで。一気に心臓がうるさいくらいに高鳴って反応してしまう。
「したことない同士でこの流れはおかしいでしょ?」
「あ″ぁ?」
「そりゃ勝己に会う時は何が起こるか分からないから、一応、下着は上下お揃いにしてるよ?今日だってシャワーもちゃんとしてきた。でも、こんないきなり急展開迎えるとか心の準備できてないよ」
「むしろしっかり準備してんのはテメェの方だろが」
「身だしなみと心の準備の準備は別次元なの!だからそんな急に言われても」
もちろん否定する気はなかった。けど、勢いに負けてしまった。恐る恐る見た勝己の表情は僅かに引き攣っている。