第4章 HOME 爆豪勝己 / 轟焦凍
風呂から出ると、リビングはテレビがついたままで、人の気配はなかった。テレビ画面に映し出された映画は淡々とながれていて、テレビを消すと静まり返った。ソファにいるはずの凪の姿が見当たらなくて、不審に思いながら近づくと、凪は上着を脱いだ姿でソファの下で横になっていた。
慣れないアルコールに、少し酔って眠ってしまったのかもしれない。甘い香りと、ほのかなお酒の匂いがふんわり漂っていた。
「…凪?」
呼びかけるとわずかに目を開ける。ゆっくりと俺に視線を向けるも、焦点が定まっていなくてとろんとしていた。
「大丈夫か?」
俺の声に反応するようにふふっと小さく笑った。頬はほんのりと紅くて、上機嫌なのかにっこりと微笑む。
「焦凍だぁ」
小さく甘えた声は吐息と混じっていた。上体を起こしてもどこか頼りなくて、キャミソールの薄い布から覗く素肌と無防備な姿に、思わず胸の奥が高鳴る。
「布団にいくぞ」
「……やだ」
「凪?」
「だって床が冷たくて気持ちいいんだもん。ここでいい」
「だから服も脱いだのか」
「うん、そう…」
〝焦凍も一緒に横になる?〟そんな誘うような視線に一瞬だけ思考が止まった。
このまま抱きしめて、思うがままに触れてしまい、そんな欲が湧き上がる。けど、これはアルコールのせいで凪がこうなってるだけだ自分に言い聞かせる。
「熱いなら少し冷やすか?」
右手を凪の頬に添えて、冷たすぎないようにと調整しながら手のひらで包み込む。
「焦凍の手、冷たくてきもちーね?」
「少し落ち着いたら布団に行こうな」
まるで子供に話しかけてるみたいだな、と自然に笑みがこぼれる。