第4章 HOME 爆豪勝己 / 轟焦凍
「焦凍は何か欲しいものはある?」
その問いに、思わず胸の奥がきゅっとなった。欲しいものは、他の誰でもない凪と過ごす時間だ。自分の単純すぎる答えに自然と笑みがこぼれる。
「……凪しか思いつかねぇな」
「そう言うと思った」
二人の足音が、イルミネーションの下で静かに重なる。
「この先もずっと凪と手を繋いで歩きてぇ」
「…ねぇ、焦凍」
凪の視線が、真っ直ぐに俺を捉える。一切の迷いはなく、澄んだ瞳だった。
「私は、ずっと焦凍の隣でいるよ」
その言葉に言葉だけじゃ足りないほどの、強く温かい感情が流れ込む。
未来への約束。それは俺が一番欲しかったものだった。
繋いだ手を握り直し体を寄せる。街のざわめきも、クリスマスソングの音も、イルミネーションの光に溶けて、二人だけの柔らかな時間に変わっていく。通り過ぎる人々の笑い声や光にきらめくオーナメントさえも、まるで祝福のように感じた。