第4章 HOME 爆豪勝己 / 轟焦凍
「んで揃いも揃って、テメェらが来ンだ!?一切呼んでねぇぞ!?」
さっきまでの厳かな雰囲気はどこへ行ってしまったのか。この景色には似合わない勝己の怒号が飛ぶ。
「ごめんねかっちゃん。この前、家に行ったとき、電話で問い合わせしてたの偶然聞いちゃって」
「かっちゃん!俺らのプロヒーローの情報網舐めんなって」
「結婚式に呼んでくれねぇなんて水臭いじゃねぇか」
「まぁたテメェか、クソデク…。テメェには個人情報と情報漏洩について教育し直してやろうか、あ″ァ!?」
「ごめんね。でも僕たちもどうしてもお祝いしたくて、ね?」
緑谷君の視線の先には焦凍。私を見る目はあの日と変わらず穏やかで、懐かしい空気が漂う。
「んでテメェも来ンだよ。馬鹿かよ」
その空気を割くように勝己が一歩踏み出した。
「今くらい空気読めや、クソが」
低く吐き捨てる声にも、焦凍は動じるこなく視線は私に向けたまま。
「俺も凪の花嫁姿は見たかったんだ」
「……焦凍」
「すげぇ綺麗だ。似合ってる」
「なんだよ轟ぃ。花嫁、奪っちゃう感じ?」
上鳴君は悪気なく茶化すように焦凍に絡む。
「奪っていいのか?」
どこまでが冗談でどこまでが本気か分からないその一言に、空気が一瞬止まった。その静寂を破ったのは、勝己だった。
「……は?」
制止よりも先に勝己の低い声で、空気が一気に冷える。
「テメェ、今なんつった?」
ゆっくりと焦凍へ視線を向ける勝己の目は、さっきまでとは比べものにならないほど鋭い。
「かっちゃん!?これは轟君なりのジョークだからね?」
「ンなこたぁわーっとるわ!!轟は、空気読んで悔しさ噛み締めて全力で遠慮しろ」
「爆豪、結婚しても容赦ねぇ独占欲だなぁ」
「まぁこんくらいじゃないと爆豪じゃないな」
緑谷君は必死でフォローに回って、上鳴君と切島君は少し呆れながらも二人のやりとりを見守ってくれている。勝己だってきっとどこかで嬉しかったはずだ。