第4章 HOME 爆豪勝己 / 轟焦凍
「では、ドレスへご案内いたしますね」
振り返った視線の先には、あの真っ白なドレス。近づくだけでふわっとしたチュールは舞うように跳ねる。
「失礼いたします」
そして、スタッフの手によって、ゆっくりとドレスが体に重ねられていく。背中のファスナーが上がり、スカートが広がり、足元でふわりと舞う白が視界を埋めていった。すべてを身にまとったあと、
「歩けますか?」
「……はい」
小さく頷くと、鏡の前へと導かれる。そこに立っていたのは、さっきまでの自分とはまるで違う姿だった。
白く広がるドレスの裾。光を受けて揺れるオーガンジー。ふわりとまとめられた髪と、やわらかなメイク。
「……お姫様みたい」
自分で言って思わず恥ずかしくなるけど、でも、それくらい現実味がなかった。
「このドレス、本当に勝己が選んだんですか?」
「そうです。新郎様がご覧になったら、きっと驚かれますね」
その言葉に、胸がキュッと締め付けられて、勝己の顔が浮かんだ。
どんな顔、するんだろう。
想像しただけで、心臓が少しだけ速くなった。
「では、新郎様をお呼びいたしますね」
スタッフのその一言で、空気が一変した。さっきまでどこか夢の中みたいだったのに、一気に現実に引き戻される。心臓の音がうるさいくらいに高鳴っている。
「こちらでお待ちください」
そう言われて、扉の前に一人残される。
静かな空間。ただ自分の心臓の音だけが速くて、手がかすかに震える。
どうしよう…。そんな不安がふっと浮かびあがる。
せっかく選んでくれたのに似合ってなかったらどうしよう、とか、一度考え始めてたら、不安だけが色濃くなる。