第4章 HOME 爆豪勝己 / 轟焦凍
「以上が先ほどの様子です。海上さん、大・爆・殺・神ダイナマイトの心を射止めた女性、気になりますね」
「相手はあの大・爆・殺・神ダイナマイトですからね。きっと勇敢な女性なんでしょうね」
「今後の情報が大変気になる話題でしたね。…では次のニュースです」
「消せ…。そのうるせぇ動画」
運転席でハンドルを握る勝己の声は低く不機嫌そのものだった。私は助手席に座り、勝己に言われるまま動画を閉じる。窓の外はまだ明け方の薄暗さが包み、東の空がわずかに明るくなっている。
「なんかの切り抜き動画か?」
「ううん。夜中に人使から送られてきたみたい。…結婚、おめでとうってメッセージと一緒に」
「はっ、嫌味かよ。動画まで送りやがって」
「自分が言ったことでしょ?…トレンド入りしてたみたいだよ」
「だったら消せ」
「私が消したところで、何も変わらないけどね」
「それでも消せ」
「はいはい」
勝己はまっすぐ前を向いたままアクセルをふかす。交通量の少ない高速道路はまっすぐに伸びている。
「それで、こんなに朝早くからどこに行くの?」
「あー…、着きゃ分かる」
「どこ?」
「悪い。飲みもん取ってくれ」
「あ、うん…」
勝己に言われるがまま、タンブラーを渡した。じっと見つめてみるけど、それ以上はなんとなく聞いてはいけない感じがした。
あれからすぐに両家にも挨拶もしたし、入籍もした。引越しはまだ途中だけど、勝己の家には足りないものもない。だから買い物というわけでもなさそうだ。勝己はまだヒーロー活動に復帰はできないけど、今までこんな遠出をしたことはなかった。
助手席で溜息をついていた私を乗せて、車は都心を離れていく。