第4章 HOME 爆豪勝己 / 轟焦凍
「悪い。全部、俺がしてやりてぇんだよ」
少しの罪悪感と高揚感が入り混ざりながら、凪の反応を逃さないように指先の感覚に集中する。
「あっ、ぁ……やぁぁっ」
声に合わせるようにぎゅっと目を閉じた後、息を乱し体は小さく震えた。
凪を寝かせたまま、被っていた布団を下ろす。まだ体を重ねてもいないのに、汗がじっとりと背中に流れていく。凪は体を隠すように丸めながら、視線だけを俺に向ける。涙に濡れた甘い視線は、簡単に理性をぐらつかせる。
「力、入んねぇんだろ。無理すんな」
「…無理しちゃダメなのは、勝己だよ」
「俺、まだなんもしてねぇわ」
「でも、勝己の心臓の音、伝わってたよ?」
自分でも気づかないふりをしていたのに、上目遣いから伝わる凪の熱に、誤魔化す余裕すら奪われていく。
「この場に及んで、クソ可愛いこと言ってんじゃねぇ」
「だって、嬉しかったんだもん…」
「より戻してからも、何回抱きたいって思ったか、知らねぇだろ。めちゃくちゃ我慢しとんだわ、こっちは…」
抱きたい。ちゃんと触れたい。誤魔化さずに、全部。
「勝己…。…ぎゅ、ってして?」
甘く囁くような声に、思考が一瞬途切れた。潤んだ目がまっすぐこっちを見てるくせに、俺に触れられるのを待ってるみたいに、息をひそめてる。
「ンで…、煽んだよ」
吐き捨てて、そのまま凪に覆いかぶさるように抱きしめた。耳元に感じる呼吸にはまだ熱があった。
「いいよ…」
耳に触れた凪の唇が動き、もう一度、確かめるように呟く。
「このままで、いい」
「何、言って…」
「俺に全部預けろって言ったのは勝己だもん。勝己のことだけでいっぱいになりたい」
肩に回された腕に力がこもった。胸の奥が熱を持って、鼓動がうるさい。抱きしめてるはずなのに、足りないとさえ感じる。