第4章 HOME 爆豪勝己 / 轟焦凍
「爆豪の退院が長引いたのは体調が悪かったのか?」
「違ぇ」
「何かあったのか?」
「こっちは退院できんのにどっかのお偉いさんがマスコミ対策だっつって、10日も延ばしやがった…」
「それは仕方ないよ。あれだけの事件だったんだし、勝己も大変だったから、色々と配慮してくれたんだよ?」
「……ンなこたぁ、分かっとる」
「体調の問題じゃなくてよかったな」
「暇そうなリハビリの野郎捕まえて、筋トレしとったわ」
「なら心配いらねぇな」
「最初からいらねぇよ、そんなもん……」
隣で座る勝己は、そう呟きながら窓の外を見ていた。
真っ直ぐに見つめるその先に、何が映っているんだろう。何を考えているのか、まだ全部は分からない。それでも隣にいられることが嬉しかった。
「凪の荷物はある程度、まとめてある」
「そうなの?私がやらなきゃいけないのに…」
「俺もしばらくは休養してたし、姉ちゃんも手伝ってくれてたから」
「冬美さんまで…。何度も行こうと思ってたんだけど、荷物を取りに戻るのもどうしても勝己が許してくれなくて」
「当たり前だろ。二人きりにしたくねぇんだよ、こんくらい察しろや」
「信用ねぇんだな」
「信用どころか、一番警戒しとるわ」
そんなことを本気で言ってしまうところが、勝己らしくて、少しだけ頬が緩んだ。