第4章 HOME 爆豪勝己 / 轟焦凍
「こっから先は俺が食い止める」
勝己の瞳に映る強い意志を見た瞬間、胸の奥でぎゅっと何かが熱くなる。恐怖も不安も、少しずつ薄れていくのを感じた。
「うん…」
「行け」
「はい。おばあさん、もう一回私に掴まって?」
深く息を吸って、勝己に背を向ける。目の前には瓦礫と煙が立ち込める路地裏、出口はまだ遠いけれど、足を止めてはいられない。
「ゆっくりでいいから、行きますよ」
自分に言い聞かせるように呟き、ゆっくりと一歩を踏み出す。足に力が戻ったような気がして、おばあさんを支える腕にも力が入る。
「凪」
その声に一瞬だけ振り返る。煙の向こうには勝己の姿がまだあった。
「……頼んだ」
勝己はしっかりと私を見てくれていた。
小さく頷くことしかできず、思わず涙がこみ上げてくる。でも、勝己から託された想いを繋ぐために、私は前だけを見て歩き出した。
勝己がいるから、きっと大丈夫。その時の私は、そう信じて疑わなかった。
だけど、この先に待つ結末は、残酷なものだった。