第4章 HOME 爆豪勝己 / 轟焦凍
「昨夜速報でお伝えした大・爆・殺・神ダイナマイトの熱愛報道ですが、その後の取材で本人は完全否定をしているとの最新情報です。映像がこちらにも届いています」
一瞬、空気が変わった気がした。驚きというよりはどこか他人事のようで、不思議な感覚だった。さっきまでの穏やかな空気はそのままなのに、心の中だけがほんのわずかに揺れる。
勝己はどんな顔してるんだろう。そんな風に思ってしまった自分に、小さく息をつく。テレビは突撃取材のVTRに切り替わって、画面には勝己と緑谷君のツーショットが映し出される。
「大・爆・殺・神ダイナマイト!新人女優Aさんとの熱愛報道の件ですが…っ」
リポーターは食い気味にマイクを差し出す。画面の中の勝己は、いつもと変わらない鋭い目つきのまま、明らかに不機嫌そうに舌打ちをした。
「あ″ァ!?ンだ、その報道…?」
「新人女優AさんのSNSでお二人のツーショット写真が掲載されています」
「新人女優…A?誰だそれ…」
「……え?ご存知ない、ですか?」
「ンな女知らねぇわ」
「ちょっと、かっちゃん。新人女優のAさんって今をときめく若手の女優さんじゃない?ほら、連ドラにも出てたでしょ?」
緑谷君がフォローするように間に入る。張り詰めかけた空気が、わずかに緩む。
「知らねぇ。連ドラなんざ観た事もねぇわ」
「しかし、AさんのSNSにはツーショット写真が…」
「あぁ?」
そこに映し出されたのは昨夜見た、勝己とのツーショット写真だった。仲良さそうに腕を組み、まるで恋人同士のような距離。さらに、指輪の写真まで添えられている。
「知らねぇ、この女も見たこともねぇ」
カメラがぐっと寄る。勝己の眉間に深い皺が刻まれる。