第4章 HOME 爆豪勝己 / 轟焦凍
「……消すぞ」
「え……?」
返事をする間もなくテレビの電源が落ちて部屋は静けさに包まれた。さっきまで流れていたニュースの音も、派手なテロップも、全部が嘘みたいに消えてしまう。
「……無理すんな」
焦凍の声は落ち着いていた。責めるわけでも問い詰めるわけでもない。ただ、静かに響く。
「別に、なんでも…」
そう言いかけても、言葉が続かなかった。なんでもない、なんて嘘だって自分が一番分かっている。
視線を落としたまま黙り込むと、次の瞬間、そっと抱き寄せられた。
「震えてる」
短い一言に、胸の奥がきゅっと締めつけられる。
「……ごめんなさい」
焦凍への想いは確かにある。でも、勝己が完全に消えたわけではない。その矛盾する感情がただ痛くて、どうしようもなく苦しい。
「謝る必要はねぇだろ?」
だけど焦凍からの言葉は驚くほど静かで優しい。
「爆豪への気持ちが残っていてもいいって言ったのは俺だ。隠す必要もねぇ」
私の全部を見透かされた気がした。責めないくせに、逃がしてもくれない。そんな強い感情が揺らいでしまいそうになる私を包んでくれていた。