第4章 HOME 爆豪勝己 / 轟焦凍
お風呂を済ませた後、もう一度キッチンへ入ってお湯を沸かす。ティーカップが二つに、取り皿。そしてメインのケーキ。その光景に思わず頬が緩んでしまう。
「嬉しそうだな」
「そりゃね。」
「開けてみたのか?」
「ううん、まだ…。開けていい?」
「ああ」
落とさないよう中から箱を取り出すと、白くて上品な箱に La Fleur の文字が入っている。
「わぁ……」
思わず声が漏れた。箱を開けると、ふわっと甘い香りが広がる。中には色とりどりのケーキが並んでいた。艶のあるフルーツが乗ったタルト、チョコレートケーキ、そして真っ白なクリームの上に真っ赤な苺が乗ったショートケーキ。
「……すごい」
思わず見入ってしまう。隣に立っていた轟君も箱の中を覗き込んだ。
「思ったより多いな」
「うん……。こんなに綺麗なケーキ、初めてかも…。本当に食べちゃっていいの?」
「逆に食わねぇ方が勿体ないんじゃねぇか」
「そうだよね。…うん、じゃあ、心していただきます」
轟君はふっと笑って私の髪に触れた。
「面白いな、凪は」
反射的に顔を上げると、優しい目で見つめている。今朝テレビで見た轟君の映像と重なって、その瞬間、心臓が跳ねた。
「どうした?」
「……えっと、轟君は…っ、コーヒーと紅茶どっちにする?」
「凪と同じでいい」
「じゃあ……、紅茶にするね。今日買い物に行ってて轟君もケーキ食べるでしょ?」
「いや、俺は紅茶だけでいい。夕飯、食ったから」
「私だって食べたよ?」
「けど、いつもよりかなり少なかっただろ?」
「だって、ケーキがあるもん。胸がいっぱいで食べれなかった」
「ならケーキは凪が好きなだけ食べればいい」
リビングにはダージリンの香りが広がって、机には色とりどりのケーキが並んでいる。
どれから食べようかと考えている隣で、轟君は紅茶に口をつけていた。イケメンヒーローランキングでも常に上位をキープしているだけあって、紅茶を飲む仕草だけでも様になっている。