第4章 HOME 爆豪勝己 / 轟焦凍
* 凪side
あれから轟君はヒーロー活動も本格的に再開した。夜中に出ていくこともあれば、束の間の休みでさえ緊急の呼び出しに応えて家を出ることもある。それでも合間をぬっては、私の様子を見に帰ってきてくれたり、十分すぎるほど気遣ってくれていた。
その日は、たまたま天気予報を見るためにテレビをつけていた。洗濯機を回している間、なんとなくつけっぱなしにしていたニュース番組が、次の話題へと切り替わる。
テレビから聞こえてきたのはよく知っている声だった。ヒーローショートの特集らしく、立ち止まり思わず画面を見入ってしまう。子どもやお年寄りにも優しく寄り添うヒーロー。そして事件や任務では、決して冷静さを失わずに立ち向かう姿。真剣な表情、優しく微笑む笑顔、全部知ってることなのに、当たり前のことなのに、私にはそれが眩しいくらい格好よく見えた。
「……私、こんな人と生活してたんだ」
気の抜けた声でぽつりと呟いた。そう思うとなんだか少しだけ落ち着かない気持ちになる。
勝己への気持ちが消えたわけじゃないのに、余白には轟君の存在が重なっている。
今夜、轟君が帰ってきたら、私はきっと、いつも通りにはできない。