第4章 HOME 爆豪勝己 / 轟焦凍
* 爆豪side
凪と別れた後も、地方の任務の合間にこっちには戻ってきていた。俺に休みは必要ない。暇さえあればパトロールに出て、事件も任務も片っ端から片付けていた。
「かっちゃん、最近無理しすぎてない?」
「してねぇわ」
「そう?特にこっちに帰ってきてからずっと任務こなしてるでしょ?適度に休むのも大切だよ」
「テメェも似たようなモンだろが」
「だって僕は期限付きだし」
「いいご身分だな」
出久と商店街を歩きながらの会話も、正直、耳に入っていなかった。人混みに紛れるように歩く人々の間で、ふと見覚えのある後ろ姿が目に入った。
「……あ」
出久の声に足が止まる。一瞬、時間が止まったような感覚だった。人混みのざわめきも周囲の音もすべて遠くに感じられる。
「ねぇ、あれって…」
見間違えるはずはなかった。肩を少し丸めて歩く姿も、少し伸びた髪も、やわらかな横顔も。何も変わってねぇ。
「凪さんじゃない?」
出久が呟いた名前に、心臓がギュッと締めつけられる。しばらく立ち止まったまま、俺は動けなかった。
「かっちゃん…?」
声が耳に届く。けど、反応する余裕はなかった。
あの日のこと、今の自分、目の前の凪、いろんなことが頭の中で駆け巡る。
「悪い…。……行くぞ」
「え、待ってよ。声、かけなくていいの?」
「……いい」
「じゃあ、僕がかけてくる」
「…っんでだよ」
「気になってたんでしょ?あれからのこと…。かっちゃん、ずっと心配してたんでしょ?」
耳元で聞く言葉が胸に刺さる。心臓が暴れそうで言葉が喉を通らなかった。