第4章 HOME 爆豪勝己 / 轟焦凍
タレを絡めた唐揚げを小皿に並べて、お盆にお箸とお茶をセットして持っていく。椅子に座って待つ轟君の視線は唐揚げに向いていてどこか嬉しそうだ。
「はい、どうぞ」
「ありがとう」
箸を取り素直に口を開けて唐揚げを口に運ぶその仕草は、失礼だけど可愛く見える。
「そういえば轟君はお昼はどうしてるの?」
何気なく聞いた問いに、少し考えながら視線を外した。答えづらそうな仕草に、なんとなく察してしまう。
「……蕎麦」
「うん。その反応はそうだと思った。轟君は栄養とかちゃんと考えてる?」
「いや……、一人暮らしをしてからは、あんま考えてねぇ…」
「No.2ヒーローがそれでいいの?」
「………ダメ、だよな…」
「好きなのは分かるけど、いつもお蕎麦じゃ栄養が偏りすぎだからね」
「そうだな…。凪は色々考えて作ってくれてるもんな」
「お節介だけど…。明日から…、お弁当とか、要りますか…?」
一瞬、轟君は目を丸くして私を見つめた。子どものように嬉しそうに目を輝かせるその姿に思わず笑みがこぼれた。
「いいのか…?」
「あ、でも夕飯の残り物とかも入っちゃうよ?お弁当といってもそんなに期待はしないでね」
「いい。凪の作るもんはなんでも美味いから」
轟君は気づいていないだろうけど、嬉しいと目がまんまるになって口元が自然とゆるんでいる。大きな子犬のように無邪気さが日に日に可愛く思えていた。