第4章 HOME 爆豪勝己 / 轟焦凍
夕食を片付け終えた後、残った唐揚げをキッチンに戻す。鶏肉が安かったからというのもあるけど、さすがに作りすぎた。
「さて、どうしようかな…」
そんな独り言も漏れる。冷えてしまってはいるけれど、まだ十分美味しそうだ。ネギと生姜は冷蔵庫にあったはず。食材を刻んで、小鍋に調味料を入れて軽く温めると甘辛い香りがキッチンに広がった。
「何か作ってるのか?」
匂いに誘われるようにカウンターから顔を出す。
「唐揚げがたくさん余っちゃったから、油淋鶏風にアレンジしてるの」
「油淋鶏?」
「うん。生姜とネギが入った甘辛いタレを絡めてるの。お酢も入ってるからさっぱりしてるんだよ」
作ったタレを唐揚げに絡める。香ばしくて食欲をそそる香りが広がる。
「美味そうだな。食ってもいいか?」
「お夕飯であんなに食べたのに?」
「別腹だろ?」
そんな無邪気で少し子供っぽい言葉に思わず笑ってしまう。一口サイズの唐揚げをタレで絡めて、一つ摘む。
「じゃあ、はい。口開けて」
「…ん」
箸先の唐揚げを差し出すと、少し間を置いて轟君は小さく口を開けた。照れたようにも見える仕草も素直で、どこか子どもっぽさが混じっている。
「……んま」
「でしょ?」
「飯が食いたくなるな」
「食べたばかりだよ?」
「全然食えるな」
「食べる?」
「いいのか?」
「たくさん作っちゃったから…。じゃあ座ってて。持ってく…」