第4章 HOME 爆豪勝己 / 轟焦凍
「私もね、考えてたの。轟君のおかげですっかり元気になったし、そろそろ家に戻ろうかと思って」
そう言葉にした時、少しだけ切なくなった。
「そのことなんだが…、俺は…」
珍しく言葉を選ぶように視線が揺れる。そしてまっすぐに私を見た。
「凪にはここに残って欲しいと思ってる」
「…え?」
「まだ一人にはさせたくねぇ」
静かな声。強くもないのに揺るがない。
「でも……」
「元気になったのは分かってる。無理してるわけじゃないのも…。けど、完全に大丈夫だって顔じゃねぇ。今も、無理してるだろ?」
息が詰まる。轟君には見抜かれていた。平気なふりも、前を向こうとする焦りも全部。
「俺が忙しくなるのは事実だ。だからこそ、目の届く場所にいてほしい」
「轟君は心配性だね…」
「家にいられない時はいつも気にかけてる」
「ありがとう。それはね、十分伝わってるんだよ。だって、轟君の優しさがあったから元気になれたもん。だからこそ……甘えっぱなしじゃいたくないの」
言葉にすると、自分の胸が少し痛む。
「ここにいるのが嫌なんじゃないよ。むしろ、すごく……心地いい。でも、轟君が前に進むなら、私もちゃんと自分の足で立ちたい」
ほんの少し沈黙。轟君はすぐには何も言わなかった。それから、ゆっくりと口を開く。