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(R18) 爆豪勝己と轟焦凍とXXXのある生活

第4章 HOME 爆豪勝己 / 轟焦凍


「そうだね…。私も、前を向かなきゃね」

自分の言葉が空々しくどこかへ流れていく。どんなに笑顔で誤魔化しても、もう一人の自分はねっとりと絡みつくように囁く。

個性を失った自分に、今更何ができるの?…と。

「強いんだな、凪は」
「そんなことない。全然、そんなことないんだよ…」

もし、私が、轟君が言うように強くいられたら、こんなことにはなっていなかった。

今はもう抱きしめたい勝己はいない。
私を抱きしめてくれた勝己もいない。

私が勝己を傷つけて、そして、自分から手を放した。

「何かあったらいつでも俺を頼ってくれ」
「うん…。ありがとう…」

だからもう轟君の優しさにも応えられない。
応える資格なんてない。

自分を偽って、笑顔を作って、本音を隠して、誰に対しても誠実でいられない私なんて、いっそ消えてしまえばいいのに。



ねぇ……、そうしたらどんなに楽になるだろう。



その言葉が胸の奥でどろりと広がった瞬間、指先の力がふっと抜けた。シンクに落ちたグラスは大きな音を立てて割れ、透明な破片が散らばる。

「……あ」

砕け散ったのは勝己がずっと使っていたグラスだった。

破片は紅茶に濡れてキラキラと光っている。拾い上げようとした破片が冷たく肌を刺し、じわりと血が滲む。

「……っ…」
「大丈夫か?…血がっ、止血しねぇと」

強い口調の轟君の声が、なぜか急に怖くなった。
強い拒絶に小さく息をするだけで体が震え始める。

「………凪?」

割れた破片を手に取ったまま、周りの音が遠のていく。

そして、どこからか〝終わりだ…〟と、勝己の言葉が強く冷たく響いた。

胸を抉るような鋭い苦しさと〝嫌だ〟と叫ぶ感情に、心が悲鳴を上げる。思考が途絶えた次の瞬間、私はガラスの破片を左手の甲に強く突き刺していた。

痛みは感じない。ただ、生暖かい血液が伝って、透明な破片は濡れていく。

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