第4章 HOME 爆豪勝己 / 轟焦凍
明けない夜はない、誰かがそう言っていた気がする。昨夜の大雨はすっかり上がっていて、東の空がまた明るくなり始めていた。
気を失うように眠って、夢と現実の狭間を彷徨う。途切れた夢の続きを思い出して繋いで、それがなんの意味も持たないことを知る。
「全部、終わったの…。しっかりしろ、私…」
泣き腫らした目は厚ぼったくて重かった。体も鉛のようだ。それでも、前に進まなきゃ、そう自分に奮い立たせる。締め切ったままのカーテンを開いて、夏の日差しがリビングを容赦なく照らす。テーブルの上のチャームはまだ何もできないまま置かれていた。
触れればきっと思い出してしまう。この部屋は勝己との思い出が多すぎるから。
過去をなかったことにはできない、それでも…。忘れる準備くらいはしなくちゃいけない。