第4章 HOME 爆豪勝己 / 轟焦凍
「ごめ……ほんとに……」
「……ずっと一人で、無理してたんだな」
背中に触れている手の温もりと優しい言葉も全部痛い。関係のない轟君にまで迷惑をかけた気がして、情けなくて、立っていられない。
「体も熱い。…いつからだ?このままじゃ倒れるぞ」
「……いい」
「この状況で、何言ってんだ?」
「もう、いいの…」
「良くねぇ。今からでも爆豪に連絡…」
「だめっ、しないで」
スマホを取る轟君の手を反射的に掴んでいた。握る手は震えていてうまく力も入らない。
それでも、もう、これ以上、自分が崩れていくところを誰かに見せるのは耐えられなかった。
「平気だから…」
だからもう放っておいてほしい。全て自業自得。ただそれだけのことだから。
「明日になったら病院も、ちゃんと行く」
「ダメだ。それじゃ遅い」
「大丈夫」
「悪い。これはだけ聞けねぇ。今から連れていく」
「夜だよ?」
「夜間でもやってるとこはある。…行くぞ」
何も言わずに私の背中に腕を回した。抵抗しようとしたけど、力がほとんど入らなくて、体がふわりと持ち上げられる感覚だけが残る。
「もう何も考えなくていい」
轟君の落ち着いた声が触れる。それだけなのに抱きしめられた体は全身の力が抜けていく。夜の街を照らす街灯が揺れて、ぼんやりとする意識の中、ゆっくりと涙が伝っていくのを感じていた。