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美オヤジを誘って囲われて救われる話

第5章 親友編


二人を見送り、あなたとヴィクトルは住宅街から大通りまで歩き出す。時間はもう十一時を回っていたが、色んなことが一気に過ぎ去ってまだ興奮さめやらなかった。

そんなとき、隣のヴィクトルがあなたの手を握った。

「わぁっ、手が⋯!」
「うん。いい?」
「もちろん⋯っ」

人気はなかったがあなたは照れながら手を握られて寄り添う。
外は寒いのに彼の触れそうな肩は暖かく感じた。

「はぁ、色んなことがありすぎたね。自分一人じゃうまく対応できなかったと思う。ヴィクトルがいてくれて本当によかった⋯⋯ありがとう」

そう伝えて顔を上げると、彼が立ち止まった。背を少し曲げてあなたの顔に近づいてきて、口づけをする。

「⋯⋯!!」
「ふふ。お礼なんていいよ。そばにいられてよかった」

彼の微笑みに見とれてしまい、しばし時を忘れた。
今日の色んな感想を言おうと思ってたのだが、すべて吹っ飛んでしまった。

「ヴィクトル⋯⋯素敵⋯⋯」
「そうかい? 嬉しいな。君もとっても素敵だったよ、今日もね」

また手を握られて、ぽわぽわした雰囲気の中歩き出す。

今日は喜ばしいことがいっぱいあったが、もう彼のことしか考えられなくなってしまった。
でもヴィクトルはこんなことを言う。

「今日は楽しかったな。君の友達にも会えたし、予期せず若者の仲間にも入れてもらえたしな」
「はは、なにそれ。年は関係ないでしょう」
「そうかなぁ。俺浮いてなかった?」
「浮いてないよ、目立ってただけ。大人ですっごい格好良くて。皆最初緊張してたの分からなかった?」
「全然。俺も緊張してたよ」
「うそー! そんな風に見えなかったよ」

あなたが笑いながら肩でぽんと小突くと、彼も口元をあげてくつくつと笑う。

「あぁ、名無しちゃん。明日の約束忘れないでくれよ。悪いけど今度は俺が君を占領する番ね」
「うん。いいよ。私も楽しみだなぁ」
「よし、じゃあ今日は名残惜しいけど君を送り届けるか」

律儀な彼はそう言って、また手を引いて寄り添ってくれたのだった。
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