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美オヤジを誘って囲われて救われる話

第5章 親友編


「はぁ、今日はありがとうねヴィクトル」 
「大丈夫だよ、名無しちゃん。呼んでくれてよかった。彼女のことも心配だよね」

彼は手を止めてあなたに向き合い、優しく髪の毛をはらってくれる。その指先の感触にしびれてしまい、あなたは赤い顔で振り向いた。

こんなときになんだけど、まだヴィクトルとハグもしていない。自分のことばかり考えてる場合じゃないけれど。

そんな風に思いながら、優しい顔で見下ろしてくる彼を見つめた。

「あのね。明後日の土曜日、楽しみだな。また会える?」
「当然でしょう? さっき俺の気持ち聞いたよね」
「うん⋯⋯聞いたよ」

そう話すと、彼はあなたのことをふわりと抱きしめた。
シャツの胸板に顔が埋まり、仕事終わりの彼のいい匂いに包まれ、くらくらしてくる。

「ヴィクトル⋯っ」
「ごめん、一瞬だけ。隣にいると我慢できないな」

台所の扉は閉まっているし、ここは死角だ。だからヴィクトルは素早くあなたの頬にちゅっとキスをしてくれた。

あなたは妙な背徳感に赤く染まり黙ってしまうが、彼の大きな手に頭の後ろを撫でられて気持ちよく、癒やされていった。

「ねえ、会うの明日の夜にしないかい? そうしたら土曜日は一緒に目覚めて、デート出来るし。そのまま日曜日まで一緒にいられるよ」
「⋯⋯本当? いいの? それがいい」
「よかった。じゃあ約束ね、名無しちゃん。明日迎えに行くからね」

ぎゅっと抱きしめられて、束の間の触れ合いに幸福を感じた。
あなたの体を離したあと、優しい彼はこんなことも付け加えてくれた。

「あと君の大事なお友達のことも、俺に出来ることあったら何でも言ってね。二人だけで抱え込んだりしないでね」

そう言ってもらえるだけで安心感に満たされ、頷く。
自分一人の時とはまるで違う、彼の大きな存在感に感謝していた。
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