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美オヤジを誘って囲われて救われる話

第5章 親友編


一緒にリビングへ行くと、案の定親友がテーブルに突っ伏していたため、あなたは焦って声をかける。

「ちょっとセリアちゃん、ヴィクトルが来たよ!」
「⋯⋯あぁ? はーい、こんばんは〜。セリアでーす」

ヘラっと笑いながら彼女は起き上がり、彼のことを見る。その途端、丸メガネの奥の瞳を大きく見張らせた。

「はじめまして、セリアさんっていうんだね。今日は声をかけて頂いてありがとう。俺はヴィクトル・ヘイズっていいます。見ての通りサラリーマンなんだけど、よろしくね」
「あっ、はぁ⋯⋯よろしくお願いしますぅ⋯! 私はセリア・マクレーン21才、劇団員の普通の女子です〜」

急にしゃきんと背筋を伸ばし、彼女は脚を閉じておしとやかに座りだした。
どうぞどうぞと、正面のあなたの隣席に座るよう促す。

あなたは不審に思ったものの、セリアはさっきまでの横柄な態度から一転してにこやかだった。

台所で彼への食事を準備していると、向こうからにぎやかな話し声が聞こえてくる。

「えっじゃあヴィクトルさんは一等地にあるビジネス街に勤めてるんですね。すっごぉ〜い。なんかもう違う世界の人って感じですよぉ」
「全然そんなことないよ。ちょっと仕事が忙しいだけの普通の男だからね。セリアさんはあの歴史的なシアターでキャストをしてるんでしょう? 凄いなぁ。俺も昔観劇したことあるんだけど、素晴らしかったよ。確か西部劇だったな」
「それ今もやってます、もう名物になっててロングランなんですよ! 私も出てるんです」
「本当に? ぜひ見てみたいな」
「うそ嬉しい、来てくださいよ、名無しと一緒に! じゃあ約束の乾杯しましょう、かんぱーい」
「うん、乾杯」

あなたがリビングに行くと二人は和気あいあいとしていて、一瞬呆気に取られたものの、かなり安心する。
さっきまで「中年男の裏を暴いてやる!」などと息巻いていた親友の姿はどこにもなかったのだ。
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