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美オヤジを誘って囲われて救われる話

第4章 彼の家編


彼の家のお風呂は、特別仕様だった。
黒石のお洒落なシャワールームは室内だが、なんとバスタブは続く外にあるという。

あなたは恥じらいながら裸になり、隠すものがないので縮こまってシャワー室に入った。

「お、出た。お湯ちょうどいい?」
「うん⋯⋯」

天井から湯が落ちる中、裸のヴィクトルの背中が目の前にある。
広くたくましい背筋にどきどきして、目のやり場に困った。

ベッドで寝そべって脱ぐのとは違う。
明るいし丸見えでたまらない。

「名無しちゃん? 大丈夫?」
「えっ、うん! 体洗おうっと」

湯気の立つ暖かい場所のせいか、あなたは頬を上気させて微笑んだ。

彼もにこりとして全身を洗い始める。いつもだけど、堂々としていてすごい。
あまり下を見ないように体に泡をつけていると、髪が濡れたヴィクトルと目が合う。

緩やかな髪がまっすぐになり、額を出してセクシーだ。しなやかな肌に水が流れる彼を初めて見た。

「⋯⋯っ」

その溢れ出る色気に圧倒される。黒い瞳にふっと笑いかけられ、こんなことを言われた。

「ねえ背中やってあげるよ」
「ほっ、本当? ありがとう」

思考がバレないように素早く答え、あなたは彼に背を向ける。
泡のついた大きな手が優しく肌をすべり、本当に気持ちがよかった。

緊張したままだけど、もう一緒に風呂に入った喜びを感じた。

「じゃあ私もやるね。後ろ向いて」

笑いかけて振り向くと、彼はもうくるりと背を向けていた。
なんだか手で顔を押さえて黙っている。耳も赤い。

「どうしたの? 大丈夫?」
「あー、うん。平気平気。よろしく名無しちゃん」
「うん!」

彼の背中にこんな風に触れるのは初めてで、ドギマギする。本当に広くて格好いい背中だ。

「ねえ私ヴィクトルの背中好きだなぁ。大きいよね」
「⋯⋯そ、そう!? うれしいな、ありがとう。あぁ俺ね、大学の時ボートやってたんだよ。8人のやつね」

突如明かされた事実に、あなたは声を上げて驚く。
川をまっすぐ漕いでスピードを競い合うボート競技は、この国でも人気のスポーツだ。

かなりの体力と持久力が必要で、とくに男性は上半身が屈強な選手が多いイメージだった。
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